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高齢者施設から幼稚園まで? マンションやオフィスだけじゃない不動産小口化商品
「不動産小口化商品」と聞いて、皆さんはどんな不動産をイメージしますか?
多くの方が、マンションやオフィスビルを思い浮かべるのではないでしょうか。
確かに、これらは不動産小口化商品として一般的な対象物件の一つです。しかし、実は不動産小口化商品は皆さんが想像する以上に多様な不動産を対象としています。
今回は、そんな不動産小口化商品の意外な一面に注目し、投資対象となる多様な不動産について掘り下げていきます。高齢者施設から幼稚園まで、これまで知らなかった不動産小口化商品の世界が広がるかもしれません。
なぜマンション以外の不動産が小口化されるのか?
不動産小口化商品が登場した背景には、個人投資家が一般的に購入するにはハードルが高い大型の不動産や特殊な用途の不動産にも少額から投資機会を提供したいというニーズがあります。
例えば、都心の一等地に建つ大規模なオフィスビルや商業施設、あるいは専門的な知識や運営ノウハウが必要なホテルや病院などは、個人が単独で購入・運用するのは極めて困難です。しかし、これらの不動産はその性質上、安定した賃料収入や高い稼働率が見込めるケースが多く、プロの視点で見れば魅力的な投資対象となります。
そこで不動産のプロがこれらの物件を選定し、小口に分割して販売することでより多くの投資家が間接的にこれらの物件へ投資できるようになるのです。
不動産小口化商品の意外なラインアップ
それでは、具体的にどのような種類の不動産が小口化されているのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
1.オフィスビル・商業施設:都市の経済活動を支える中核
居住用のマンションの次にイメージしやすいのが、オフィスビルや商業施設かもしれません。これらは都市部の主要な不動産であり、多くの企業や店舗が入居することで安定した賃料収入を生み出します。
オフィスビル
企業の集積地であるビジネス街のオフィスビルは、景気の変動に左右される側面はあるものの、一度テナントが入居すれば長期的な賃料収入が見込めます。企業の移転や拡張に伴う需要もあり、安定性が高いとされています。
商業施設
ショッピングモールや路面店など、人々の消費活動を支える商業施設も人気の対象です。立地条件が優れていたり人気のテナントが入居する物件は高い収益性が期待できます。
「あの有名な百貨店ビルの一部を自分が持てるなんて!」「よく行くカフェが入っている商業施設も対象になるなんて面白い!」といった感覚を味わえるのも、こうした不動産小口化商品の醍醐味です。
2.物流施設・データセンター:現代社会を支えるインフラ
近年、特に注目度が高まっているのが、物流施設(倉庫)やデータセンターです。EC市場の拡大やDXの加速で、これらの施設に対する需要が世界的に高まっています。
物流施設
ECの普及により、商品の保管・配送を担う大規模物流施設の需要が急増しています。一度契約すれば長期の賃貸借契約となることが多く、安定した収益が期待できます。高速道路のインターチェンジ近くなど、交通アクセスに優れた物件が人気です。
データセンター
クラウドサービスの普及やAI技術の発展により、ITインフラを支えるデータセンターの重要性も増しています。データセンターは24時間365日稼働する電力供給やセキュリティが整った専門施設。そのため、こちらも長期的な安定収入が見込めます。
生活に欠かせない、しかし普段意識することの少ないインフラを支える不動産への投資。これは社会貢献性も感じられるユニークな視点かもしれません。
3.ホテル・旅館:観光業の成長を享受
インバウンド需要が伸びているホテルや旅館も不動産小口化商品の対象です。
ホテル・旅館
観光地のホテルやビジネスホテルなど、多様な形態があります。稼働率や宿泊単価によって収益が変動する特性がありますが、観光客の増加やイベント開催などにより、高いリターンが期待できるケースもあります。運営は専門のホテル運営会社が行うため、投資家が直接運営に関わる必要はありません。
コロナ禍で一時的に打撃を受けましたが、国内外の移動制限緩和に伴い、再び注目を集めている分野です。
4.高齢者施設・保育園・幼稚園:社会貢献と安定性を両立
そして今回のタイトルにもある高齢者施設や保育園・幼稚園といった施設も対象です。
これらは共働き世帯が増加し高齢化が進む日本において、社会的ニーズが非常に高い点が特徴です。
高齢者施設(介護施設・有料老人ホームなど)
高齢化社会の進展に伴い、需要が継続的に増加しています。施設の運営は専門の事業者が行うため、入居率が安定していれば、長期的に安定した賃料収入が見込めます。社会貢献性の高い投資としても注目されています。
保育園・幼稚園
共働き世帯の増加により、保育施設の需要も非常に高い状況です。自治体からの補助金などもあり、運営が安定しやすい傾向にあります。子どもの成長を支える施設に投資できるのは、子育て世代の投資家にも魅力的に映るかもしれません。
また、これらの施設は景気変動の影響を受けにくいという特性も持っています。このためポートフォリオの安定化に寄与する可能性があります。
あなたの「好き」や「関心」から投資対象を探す楽しさ
このように不動産小口化商品の対象はマンションなど住宅用不動産に留まりません。商業施設から高齢者施設や保育園といった社会性の高い施設まで多岐にわたります。
これは投資家にとって単に利回りやリスクだけで選ぶ以上の意味があります。つまり「自分が応援したい施設」「社会に貢献できる施設」「日常でよく利用する施設」など、自身の興味や関心に基づいて投資対象を選ぶことができる新しい楽しさをもたらします。
例えば、
・普段利用しているECサイトの物流を支える倉庫に投資してみる。
・将来の親の介護を考え、高齢者施設に貢献する投資をしてみる。
・子育て中の身として、待機児童問題の解消に繋がる保育園を応援してみる。
といった選び方も可能になるのです。

まとめ:多様な選択肢から「自分らしい投資」を見つける
このように不動産小口化商品は、その投資対象の多様性も大きな魅力です。
社会や経済を支える様々な不動産に間接的に投資できる機会を提供してくれます。また、ライフスタイルや社会への関心と結びつけ「自分らしい投資」を見つける楽しさも生まれます
さらに投資対象が多岐にわたることで、リスク分散の選択肢も広がります。。
もし、あなたが不動産投資に興味はあるけれど、どんな物件を選べば良いか分からない、あるいはもっと多様な選択肢から選びたいと考えているなら、ぜひ不動産小口化商品の幅広いラインナップに目を向けてみてはいかがでしょうか。
あなたの知的好奇心を刺激し、新たな投資の扉を開くきっかけになるかもしれません。